まず、よく使われているものとしては、ネイティブチェック、プルーフリーディング、クロスチェック、リライト、エディティングなどが挙げられます。
翻訳会社の中には、ネイティブチェックとプルーフリーディングを同等として扱っているところもあれば、異なるサービスとして料金体系が分かれているところもあります。またクロスチェックをプルーフリーディングと言っている場合もあります。 また実際にチェック作業を行うチェッカーの中にも、ネイティブチェックを頼まれたのに大幅にリライトをかけてしまったり、エディティングまでしてしまったりするケースもあるようです。
日本だけでなく、世界的な傾向を調べたところ、次のように大まかに分類できるようです。

上記の分類から考察すると、ネイティブチェックとは、基本的に翻訳言語を母国語としない翻訳者が訳した訳文に対して行われる文法的チェックであり、訳文に用いられている用語が正しいかどうかをチェックするものではないため、必ずしも翻訳対象分野の専門性は必要とされません。重要なことは翻訳言語に母国語であり、文法的および構文的ミスを的確に見つけ出して修正する能力です。
同様にプルーフリーディングに関しても、訳語が適切であるかをチェックするのではなく、文法的、構文的ミスのチェックですので、翻訳対象分野の専門性は必要とされません。プルーフリーディングとネイティブチェックとの違いは、訳者が翻訳言語に母国語であるかないかであり、母国語でない訳者の訳文チェックにのみネイティブチェックという用語が適用されます。
つまり、ネイティブチェックもプルーフリーディングも、原文には目を通す必要はなく、訳文のみをチェックするものです。
一方、原文と訳文を対比させて訳抜けや誤訳を見つけるのがクロスチェックですが、この場合は、翻訳対象分野の専門性が必要となってきます。また原文の完全なる理解、および訳文に母国語であるか、もしくはかなり精通している必要があり、適切なチェックをするためには高度な能力が求められます。
しかし、現状は翻訳会社のプルーフリーダーが訳抜けチェックをしたり、訳文に精通していない日本人チェッカーが誤訳として判断し訳文を訂正したりすることがあるようです。 翻訳者にフィードバックがある場合は、翻訳会社やチェッカーへの説明や修正も可能ですが、フィードバックがない場合も多く、チェッカーに訂正された訳文が誤訳または適訳ではないにも関わらず、そのままお客様に納品されるケースもあるようです。
リライトは、プルーフリーディングにおける文法的、構文的チェックに加え、翻訳言語における特性を考慮し文体を整え、直訳調の訳文を読みやすく書き直す作業ですので、原文対比は原則的に行わず、訳文に母国語のチェッカーが行います。
それに対して、エディティングは、リライトに加え、使用用途に応じて文脈や表現を変えて翻訳言語における完成度の高い文書に仕上げる作業です。このエディティング作業に、クロスチェック(原文対比)も含める翻訳会社(特に海外において)も多いようです。
リライトとエディティングの違いは、リライトが文体を整えるのが主な目的である一方、エディティングは文字通り編集作業であり、用途に応じた文書の仕上げをするものです。 特にプレゼン資料や会社案内、マーケティング資料などでは、関心を喚起するインパクトのある表現や、文体のリズム感、気の利いた言い回しなどがとても大切な要素となります。よって、エディティング作業には、翻訳対象分野に専門性があるばかりでなく、完成度の高い文章が書ける能力が必要とされます。
以上、簡単に用語の説明をさせていただきましたが、あくまで上記は我々の見解であり、国や翻訳会社によって定義がかなり異なっているものです。翻訳業界内で定義が統一されるには、もう少し時間がかかると思います。


